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- 2020.01.03 Friday
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[黒蝋色漆(くろろいろうるし)による共直し(ともなおし)]
「共直し(ともなおし)黒楽茶碗」完成。
破損した黒楽茶碗
金継宗家の流儀の漆塗の[変わり塗(かわりぬり)]の技術で共直しをした黒楽茶碗です。
破損した黒楽茶碗を刻苧(こくそ)で繕って、黒蝋色漆(くろろいろうるし)で質感と色彩を再現しながら、まったく傷が判らないように器を再生した作品です。
黒蝋色漆(くろろいろうるし)は、漆100%の黒漆で、漆黒の鏡面仕上げ用の漆です。この黒蝋色漆塗は、大変麗しい艶の漆黒の鏡面が特色で、また、非常に堅牢です。
実は、日本産の黒蝋色漆の鏡面仕上げの黒漆塗の漆器が、英語の小文字のjapanが漆器を表わすことになる語源なのです。
漆黒の鏡面仕上げの漆器の調度品は、18世紀から19世紀のヨーロッパに数多く輸出され、この漆の鏡面仕上げの黒はジャパンブラックと呼ばれ、フランスのマリー・アントワネット、そして、彼女の母のハプスプルク家の女帝マリア・テレジアをはじめ、王侯貴族の憧れの調度品と成り、そして金蒔絵施した黒漆塗の漆器はヨーロッパで多数コレクションされたのです。
このことの影響で、19世紀に漆黒のグランドピアノが誕生します。
グランドピアノが漆黒の鏡面仕上げになったのは、この黒蝋色漆(くろろいろうるし)のジャパンブラックを手本にしたピアノ塗装が19世紀のヨーロッパで開発されたからなのです。
金継宗家 宗匠 塚本将滋
金継宗家 金継教室 http://urushiart.com/schoolroom.html
金継工房 http://urushiart.com/kintsugikoubo.html