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- 2020.01.03 Friday
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日本経済新聞に掲載された「金継宗家」塚本尚司の金継ぎ記事
よびつぎ志野茶碗【 ふたたび 】
日本経済新聞の2016年10月27日夕刊に掲載された
「金継宗家」塚本尚司の金継ぎ記事より抜粋。
[モノの命を継ぐ]
『茶道具などには割れや欠けを金継ぎで修復したものが時々ある。中には名品として数百年伝わるものもある。代表格の1つが、畠山記念館が所蔵する光悦作の茶わん「雪峰」だ。
この茶わんに感銘を受けて金継ぎに取り組み始めた人に、会いに行った。
「金継宗家」を名乗る塚本尚司さんだ。「窯の中で割れた失敗作の傷に、山の峰が雪をかぶって金色に輝く姿を見いだした光悦の発想力に感動した」という。金属を漆で装飾する「金胎漆芸」の専門家。文化財を修復する方法も参考にして、20代のころから独自の金継ぎの技を練ってきた。
漆に小麦粉や陶土などを混ぜた「こくそのり」で傷を継ぎ、蒔絵(まきえ)の手法で純金を蒔く(まく)。全て天然の材料を使う金継ぎを、15年ほど前から教えている。「男性は買った骨董品の傷を直すため、女性はお気に入りの器や思い出の品を使い続けるために学ぶ人が多い」という。
最近ではドイツやフランスや米国など海外からの生徒が増えている。欧米では一般に、器に傷があれば見えないように直す。一方、日本の金継ぎは、傷を目立たせて、むしろ世界に1つだけの純金の装飾をする。日本独特の修復法は世界的に注目を集めている。
塚本さんは昨年秋、フランスのインテリアデザインの見本市[メゾン・エ・オブジェ・パリ]に招かれ、金継ぎを実演。今秋、仏高級ブランド[シャネル]の店舗に置くテーブル・トップを金継ぎ作品で飾った。もはや金継ぎは修復の域を超え、美的表現の手段だ。
割れたり欠けたりして、本来なら捨てられ役割を終えるはずだったモノに、新たな命を与えるのが金継ぎだ。ばらばらになった破片ですらよみがえる。いくつもの器の欠けらを継ぎ合わせて1つの器を作る「呼び継ぎ」という手法だ。塚本さんは志野焼の窯跡で拾い集めた欠けらを呼び継ぎした茶わんを
「ふたたび」と名付け、純金で繕った傷を梅の木、一服の抹茶の緑色を鶯(うぐいす)に見立てて茶の湯で愛用している。』
金継宗家 金継教室 http://urushiart.com/schoolroom.html
金継工房 http://urushiart.com/kintsugikoubo.html